【石壁の町を出る】

2008年 7月 11日
レポート用紙 シャープペンシル(4B芯)

石壁の町を出る-クリックで拡大

≪森からの使者     日が暮れる≫


 彼女は都が嫌いだと言った。木の葉一枚通さない精緻な石壁の町は、皮膚で囲われ隔てられた孤独な魂に、更に様々な“名”を着せ、羽飾りの数の違う帽子をかぶせると。そうして“声”は遮られ、“口から出る音”しか聞こえなくなってしまったと。
 彼は何かを変えたかった。だから彼女の手を取って、生まれ育った町の外へと踏み出した。




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